特発性浮腫
浮腫(むくみ)は、血液中の水分が血管の外に出てたまった状態です。これらの水分は重力の影響を受けますから、立っている場合にはまず両足がむくみます。むくみ(浮腫)は、さまざまな原因から生じます。腎臓や肝臓の障害、心不全、そのほか内分泌代謝系の異常などです。しかし、むくみ(浮腫)のなかには、このような原因となる病気がないにもかかわらず、生じるものがあります。それが「特発性浮腫(とくはつせいふしゅ)」です。
特発性浮腫は、比較的中年の女性に多いのです。
原因は定かではありませが、起立時にレニンーアルドステロン系が過剰反応を起こすことが原因ではないかとも考えられます。
長く立っていると両足にむくみ(浮腫)が生じ、横になって安静にしているむくみ(浮腫)が消えます。もともと低血圧がある人や、ホルモンバランスが乱れている人に生じることが多いようです。そのため低血圧があれば、血圧を上げる薬(昇圧剤)を用いることもあります。
その他、基本的には、水分や塩分の過剰摂取をひかえることが大切です。また立位での作業を出来る限り少なくすることも効果が期待できます。利尿薬を用いることもあります。心理的な要因が関与していると考えられる場合には、精神安定剤や鎮静薬の服用を試みることもあるようです。
ただし、身体の水分量は毎日変動します。体重管理をしっかりし、1キログラム以内の増減ならば、正常範囲内であると考えましょう。それ以上の増加がある場合には、思いもかけない病気の兆候かもしれませんので、医師の診断を受けましょう
クインケ浮腫
むくみ(浮腫)には、全身に症状が現れるものと、身体の一部に生じる場合があります。「クインケ浮腫」は、一部にのみ現れるむくみ(浮腫)で、顔の一部が円形にむくむのが特徴です。
クインケ浮腫は、別名「血管神経性浮腫」とも呼ばれます。ドイツのクインケが最初に報告した病気であったことから、この名前がつきました。症状は、身体のさまざまな部位に突発的に浮腫が生じる、というものです。むくみ(浮腫)は、直径数センチメートル程度の大きさで、丸い形です。
通常、むくみ(浮腫)は、指で押すとへこんで「圧痕」が残り、すぐにまた元に戻ります。しかしクインケ浮腫の場合は、ピンと張っていることから、指で押さえても引っ込みません。痛みやかゆみといった、症状は認められないのが普通で、1~数個が現れたかと思うと、短期間(数時間~3日程度)で消失します。ただし再発を繰り返す特徴があります。
その他、小さな血管の拡張と、血管の透過性の亢進が認められます。
どうしてこのようなむくみ(浮腫)が生じるかの原因は不明です。また、発症する年齢、性別に特徴はありません。遺伝性のものとそうでないものがあり、遺伝によるものを「遺伝性血管神経性浮腫」と呼びます。
また、蕁麻疹(じんましん)と同時に出ることもあります。
治療法は確立されておらず、有効な手立てがないのが現状です。上記のような症状が現れた場合には、まず内科を受診しましょう。同様に、身体の一部がむくみ(浮腫)ものには、炎症によるむくみ(浮腫)や、リンパ節腫脹などの疾患が考えられます。